昔の雪国の様子や雪国の暮らしについて、絵と写真でご紹介します。
昔の雪国の様子
懐かしき雪国の昔大変とは言え、現代の雪国の暮らしは「克雪・利雪」が進み、昔に比べてずいぶんとよくなりました。今とはかなり違う、昔の雪国の様子をご紹介します。
雪国には、ほかとは違ったくらしのスタイルがありますし、独特の文化もあります。
都市化の波により、失われつつあるものもありますが、いくつかあげてみます。
雪囲い
庭にある“たけ”の小さな樹木などは雪の重みや雪がとけるときの沈降力(ちんこうりょく)で折れてしまうので、雪が降る前に、回りを囲って保護します。
11月ころの新庄の風物詩となっています。
おおいそぎで雪囲い (絵:佐藤四郎太)
雪踏み
雪がいっぱい降ると歩くのが大変になります。そのため、みんなが歩くような道は「踏み俵」という“わら”で作ったもので踏み固めました。今は車が走る道路などは除雪車で雪をなくしたり、消雪道路といって地下水を流して雪を消します。家の前の通路は雪を吹き飛ばす機械やスノーダン プというもので雪をどけます。ですから、踏み俵を使う光景は見られなくなりました。毎朝の道つけ (絵:佐藤四郎太)
雪おろし
フワフワと降る雪も積もるとだんだんと締まってきます。ですから、屋根に積もった雪はたいへんな重さになります。家がつぶれないように雪おろしをしなくてはなりません。
カヤぶき屋根の雪おろし (絵:佐藤四郎太)
雪国の暮らし
雪国・新庄の平均最大積雪深は140cm。こんなに雪があるところで、いったいどんな生活をしてきたのでしょう?
雪の降らないところの生活とどんな違いがあるのでしょう? どんなふうに雪と闘ってきたのでしょう?
過去のデータで最高の積雪深を記録したのは昭和11年3月の250cmです。 これほど積もるといろいろな問題がおきます。
屋根の雪おろしをしないと家がつぶれてしまいます
屋根の雪は下ろさないと重みで家がつぶれてしまいます。屋根に1メートル雪が積もれば1平方メートルあたり300kg。屋根が50坪あれば約50トンもの重さになります。果樹なども枝折れしてしまいます。
家のまわりや道路の雪を排除する場所に困ります
雪を地下水で消す消雪道路もありますが、すべての道路に設置することは不可能です。流雪溝(りゅうせつこう)という雪を流してやる側溝もありますが、限度があります。今はトラックにじゃまな雪を積んで、川に捨てたりしています。昔はそのようなものも無かったので、しかたなく2階から出入りしたこともありました。
雪を排除できないといろいろな問題が起きます
消防車や救急車が通れなくなって、火事や病人がでたときに対応が遅れてしまいます。消火栓などはこまめに除雪しなければなりません。